日本のバスケで言いたい放題!

バスケットボールをこよなく愛するおじさんが高校・大学・Bリーグの選手やチームについて語ります。

日本のバスケはなぜ強くなったのか? (2006年 スペイン戦を見ての感想)

ワールドカップが終わってから日本代表ロスになり、過去の代表戦含めて色々動画を漁っておりました。その中で見つけたのがこちら。

www.youtube.com

最終スコアはダブルスコア近いので、「やっぱり最近の日本は強くなった(というか世界と戦えるようになった)」のは事実だと思いますが、選手個々の能力が上がったかというと必ずしもそうではないな~と。八村・渡邊選手は少し例外ですが...ただし今回渡邊選手のワンマンチームというわけでもなかったので、例外を除いても「個々の能力以上に日本が強くなった」ことは言えるんだと思います。

 

例えば当時の桜井選手や網野選手は195cm近くでバリバリ動ける。馬場選手程のダンクはないかもしれないですが、スキルセット的にいうと正直高い。

また、山田大治選手なんて2mあってオフェンスがめちゃくちゃ起用です。(これが一番びっくりした)正直川真田選手や井上選手はこのオフェンスは出来ないです。

 

ただ、事実として近年(というか今回のワールドカップ)で世界と戦った際に日本が強くなったことは事実で、その要因を考えてみたいと思います。

 

①インサイドのDF強度が上がった(ただしオフェンスは昔の方が器用)

先ほど「2006年の方がインサイドのOFは器用だった」と書きましたが、一方でインサイドのDF強度は今のインサイド陣の方が明らかに高いです。(フランス戦の川真田選手は1on1で普通に止めてましたし)

ダブルチームの寄りが甘い等の問題もありますが、インサイド入ったらすぐ点を入れられてしまいます。

 

これは当時は高校/大学バスケにおいて留学生は一般的ではなく、竹内兄弟や山田選手といった日本人ビッグマンは「点を取ること」が求められていた一方、強度の高いDFは(相対的には)求められなかったことが理由だと考えています。

当時JBLはon 1だったと思うので、基本マッチアップは日本人選手ですしね。(2006年よりは後ですが当時外国人+帰化した桜木JR選手+竹内公輔選手がいたアイシンがチート急に強かった記憶があります)

 

国際大会では日本人は体格で劣ることが多いので、結局国内ほど日本人ビッグマンはオフェンスで活躍しきれない。ただしOFしない(アウトサイドに任せる)ことはできても「DFしない」ことは選べないので、結果としてDF側にインサイドの役割を振った近年の方が海外との差が少ないということかなと思います。

 

逆に近年は全国レベルだと高校/大学でも留学生センターは当たり前。Bリーグでも帰化選手も増えてきたのでマッチアップは避けられませんからね。

 

② (①の結果として)特にガード陣の得点能力が上がった

 

インサイドのOF/DF以外の違いとして、2006年当時は「PGはボール運びしてウイングのフォワード陣にパスを捌く(その後1on1で攻める)」という役割が色濃く出ています。

これは①の理由ゆえにガードは国際戦以外でもアグレッシブに攻めることは(相対的には)求められてなかったんだと思います。ゆえにPGの役割も少なく、SGも基本はキャッチ&シュートのみ。

2006年を見るとPGがキープしてる間にオフボールでフォワード陣がボールをもらう→その後なんとか1on1で攻める、という形に終始してるように見えます。

 

①と同様で、やはり国際大会では体格差(今回身長というよりフィジカル)があるので、オフボールで崩すのは結構大変(バスケはオフボールのフィジカルコンタクトに寛容なので)で、結局かなり苦しい体制から1on1が繰り返され、スペースもないのでターンオーバーが起こるという構造。

 

であれば、近年の様にボール回しが少なくとも、フィジカルコンタクトが少なく、かつ飛び道具の3Pがオフェンスオプションとして存在するオンボール中心に崩した方が、海外戦では相対的に勝ち目はありますよね。

 

近年のBリーグは、外国人選手のレベルが上がり拮抗してるだけに、日本人ガードプレイヤーが(総得点は少なくとも)勝敗の結果を握ることが多いので。富樫選手、比江島選手、川村選手はもちろん、安藤選手や岸本選手なんか典型的だと思います。逆にボール運びしてパスするだけだと、中々差別化できないです。

 

③ (②と近いですが)3Pをプルアップで打つ頻度/確率が上がった

ガード陣がトップから攻めることを求められた結果でもありますが、特にプルアップで3Pを打つのが増えました。富樫選手や昔からやってましたが、近年でもまだ多くはないです。ただしこの代表では富樫、河村、比江島選手が多くのシュートをプルアップで沈めてました。

バスケットは期待値のスポーツなので、当たり前なんですが(国際大会での体格差を押し切って)2Pを1/2で決めるのと3Pを1/3で決めるのは同じなんですよね。なので純粋にオフェンスの比率として3Pが増えたことが純粋に体格で劣る日本の勝率を上げている気がします。

 

ちなみに「比江島選手は結構前から代表じゃん」というヒトいると思いますが、少なくとも大学時代くらいまでは比江島選手、全然3P打ちませんでしたからね。(ミドルは多かったですが)日本のバスケを取り巻く環境が変わると当時に比江島選手のスキルセットも変わっていったということだと思います。

 

④帰化選手の存在

これは正直めちゃくちゃでかいです。

 

もちろん各選手個人の努力もありますが、今回は少し留学生の増加やBリーグのルール等、構造的な部分から日本のバスケの進化を考察してみました。

 

読んでいただきありがとうございました。