先日所属しているバスケットのクラブチームで練習試合があり、審判をしていました。
そこで片方のチームのガードのプレーヤーがいわゆる「バックファイヤー」を多様する方で、それがまた上手いのでカットされた対戦相手ののガードは大変ご立腹。
最終的に審判の私は
「バックファイヤーは全部ファールだよ!ちゃんと見てくれよ!」
と詰め寄られてしまいました。
スラムダンク 井上雄彦
審判の私はまさに「むっ!」という気持ちでした。
私もディフェンスの際にバックファイヤーをしますし、逆にドリブルが無駄に高いからか、後ろからボールを取られたりします。
でも前々から思っていたんですよ、「ボールしか当たってないのにファールなわけないやん」と。
おそらく同じ考えの方も多いと思いますし、一方で「バックファイヤーは全てファール!」という思考の方もいらっしゃると思います。
私なりに整理してみましたので参考にして頂ければと思います。
「バックファイヤー」とは?
後述しますが、そもそも「バックファイヤー」という言葉はルールブック(バスケットボール競技規則)にはありません。
しかし一般的には
ディフェンス側が行う行為で、一度ドリブラーに抜かれた後に体を反転し、ドリブラーの背後からボールをカットするプレーを指します。
イメージとしてはこんな感じですね。
(これはオフェンスが上手くボールを保持しているのでボールには当たっていませんが)
ルールブックには「バックファイヤーはファール」なんてない
「バックファイヤーはファールに見えやすい」
この意見は至極正しいと思います。
実際審判をしていて、バックファイヤーは良く見ていないと判断が難しいですし、実際プレイヤーとしてやった際に「ボールしか当たっていない!」と思ったのにファールを取られることはよくあります。
私もファールを取られても特に文句はいいません。
ファールに見えやすい、ファールを取られやすいということは重々承知しているからです。
しかし、だからといって「バックファイヤーは全てファール」「後ろからカットするのはファール」というのは暴論ですし、怠惰な審判の思考停止にしか思えません。
「バックファイヤーを行った際、オフェンス側の手や腕に接触する」
これがファールなのです。
これはハッキング(イリーガルユースオブハンズ)という種類のファールです。
ちょっと回りくどい言い方をしましたが、つまり「バックファイヤー」というファール名はないのです。
オフェンスの後ろからボールのカットを試みた結果として「手に接触した、オフェンスの動きを妨害した」からファールなのであり、後ろからカットしようが、それがバックファイヤーという技であろうがボールにしか接触していない場合はファールにならないんです。
接触が起きずにファールになるのはこういうときだけです。
スラムダンク 井上雄彦
バックファイヤーは避けられる
さて、バックファイヤーは必ずしもファールではないという話をしました。
でもよく考えるとこれは当然ですよね。
Bリーグや関東大学1部リーグといったレベルでも普通に行われるプレーです。
伊藤達也選手(京都)は非常に上手いですよね。
一方でボールをカットされた時に「バックファイヤーはファール」と主張する人の気持ちはわからないでもありません。
抜いたと思ってもカットされるの、本当に悔しいですもんね。
でもBリーグの選手を始めとして技術の高いプレーヤーはバックファイヤーをされないように工夫しています。
本題ではないですが、簡単に紹介したいと思います。
抜いた後にボールを前に出すor持ち変える
下の写真では田臥選手(ドリブラー)がドライブを試みており、抜かれそうになった篠山選手(ディフェンス)はバックファイヤーを試みます。
田臥選手はバックファイヤーを試みたディフェンスを感じて、抜いた瞬間にボールを逆手に持ち替えています。
スペースがある場合であれば、このように持ち変える(フロントチェンジ)か大きくボールを前に突き出すのが良いと思います。
抜いたら体でボールを守る
ただし、密集したゴールした付近ではフロントチェンジなどを行うスペースがないと思います。(それこそボールを取られる原因ですよね。)
なので、ゴールした付近の場合は相手がバックファイヤーを試みたと思ったら体をディフェンスに対して入れてしまい、ボールを保持してシュートを打つのが良いと思います。
フロントチェンジと違って体をディフェンスに入れれば、相手が後ろから手を出してきたらファールはもらえると思います。
ボールを上手く守っていれば相手の手は自身の体に当たると思うので。
こんなところでしょうか。
バックファイヤーはファールと思っている方でも、実際の試合で審判が吹かないとボールの取られ損なので、「どうすれば取られないか」を考えてプレーすれば良いのかなと思います。
ファール取ってくれればそれはラッキーですしね。
お読み頂きありがとうございました。
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www.basketball-iitaihoudai.com
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