以前、元福岡第一の園選手や拓殖大学の杉野選手などを例にとって「パワーフォワード(PF)がバスケットにおいて最も重要なポジションなんじゃないか!」ということを書きました。
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「バスケットで重要なポジションはどこ??」という議論が起きた際に多くの意見が@ポイントガード(PG)かセンター(C)に分かれる中、「味がある」ポジションだな~と個人的に思うのは間違いなくPFです。
ただ、「重要」という意味で考えるとどこなのかを色んな選手を引き合いに考えたいと思います。
あえて最初に書かせて頂きますが、個人的に「絶対このポジションが一番重要」という杓子定規な意見は好かないです。
チームの状況や対戦相手によって違うと思いますので。
PGにも色々タイプがあるし、大事なのはポジションではなく役割
良くある「PGが一番重要!」という意見を1つ取っても、富樫選手をイメージするのと大東文化の熊谷選手やレジェンドである佐古選手をイメージするのでは全く違うと思います。
ゲームメイクやゲームコントロールが大事!というのであれば佐古選手のようなタイプでしょうし、富樫選手はPGというよりは完全に得点能力が大事!という意見に聞こえてしまいます。
熊谷選手は間を取ったようなバランスの良いプレーヤーですよね。
インサイドにしてもリバウンドが強いプレーヤーもいれば、体格では劣るものの、オフェンスではスピードのミスマッチを上手く使うプレーヤーもいますよね。
なので、本当にこの議論は難しい上に、ある意味結論が出ないよな~と思います。
色んな意見を聞くのは好きですが。笑
バスケットというスポーツの性質から考える
バスケットは相手より得点を多く重ねたチームが勝利します。
そして基本的には交互にオフェンスがあるので、「出来るだけ期待値の高いシュートを打ち続けるチーム」が勝ちます。
敢えて期待値という書き方をしたのは、「確率でいうとゴール下でしょ」という意見があると思うのですが、100%のゴール下を決め続けるよりも70%の3Pを打ち続けた方が勝つからです。
1回のオフェンスの期待値=得点(1~4点)*得点の確率
シュートが決まれば相手ボールなので、基本的にオフェンス回数は同じになります。
しかし、これが変動する大きな要素としてターンオーバーとオフェンスリバウンドがあります。
ターンオーバーが起きるとオフェンスが出来ないまま(1試合を通して期待値がマイナスになる)相手のオフェンスを迎えます。
また、オフェンスリバウンドを取ると、+で期待値分の点を取れることになります。
(もちろん、単純に考えればですが。)
ほかも、厳密に言えば色んなシチュエーションが考えられますが大きくはこの2つだと思います。
と考えると、重要な役割は3つ?
上記のように、仮にターンオーバーも起こらずディフェンスリバウンドを確保した上でゲームが続き続ければオフェンス回数は(ほぼ)同じになります。
この場合、1回のオフェンス当たりの期待値が高いチームが勝つことになります。
ただ、この期待値の要素は一概には言えませんね。
チームオフェンスが物凄く上手くて、必ずフリーを作れる。
そして、全員がミドルシュートであれば50%程度沈めれるのであればこのチームの1回あたりの期待値は2点*50%=1点になります。
ちなみにですが、大体1回のオフェンスに1点入ればそこそこ点を取っているイメージです。
逆に、ワンマンチームですが、エースシューターが3%を34%の確率で決め続ければ期待値は3点*34%=1.02なので前者のチームに勝つことになります。
こんなこと有り得ませんし、ターンオーバーも起きると思いますが。
こんな感じで色々なパターンがあるので、強いてこの期待値を上げることの出来る役割を指すならば「ディフェンスを崩せる選手」かなと思います。
イメージとしては、比江島選手・富樫選手・宇都選手などでしょうか。
自らも点を取れるし、ピックアンドロールも上手く味方のフリーを演出できる。
逆に、この「崩せる選手」がいないとそんなに点を取られていないし、しっかり試合を運んでるのにあと一歩リードできないみたいな現象になります。
残りの2つの役割についてです。
1回当たりのオフェンスの期待値がイコールであれば、オフェンスの回数が多いチームが勝ちます。
そして、そのオフェンス回数を左右するのがターンオーバーとオフェンスリバウンドになります。
ターンオーバーも色々起こるシチュエーションがありますが、やっぱりボールを長く持つのはPGなのかなと。
また、ボールを持っていない状況でもターンオーバーが起こりにくいようなオフェンスを指示しつつ、期待値を高めるための選択をするという意味では「ゲームメイクが出来る選手になるのかな」と思います。
そして、大体ゲームメイクをするのはPGという感じはありますね。
そして最後にオフェンスリバウンドの回数を稼ぐのは、当然ですがリバウンダーですね。
当然ですが、オフェンスリバウンドだけじゃなく、ディフェンスリバウンドの強さもオフェンス回数を左右するので「リバウンドの強い選手」と言えそうです。
ちなみに、チームの作戦によってはガードの選手がリバウンド数を稼いでいたりしますが、一般的にリバウンドが強い選手が多い相手のインサイドにリバウンドを取らせないという意味では、やっぱりインサイドの選手の方がリバウンドへの貢献具合は違いますね。
というわけで、これもリバウンドの強いインサイド(≒C)ということになってしまいますね。
「PGかCが重要」論はあながち間違っていない
という訳で、役割に注目して考えてみましたが結局「確かにPGかCが優秀だとチームとして安定する(オフェンス回数が増える/減らない)」ということになったので、良く聞く「PGやCが優秀論」はあながち間違いではないのかなと思います。
あと、+で勝利に導く(1回当たりのオフェンスで相手より高い期待値をたたき出す)という意味ではやはり一般的にいわれるスコアラーが大事なのかなと。
ちょっと結論が曖昧になってしまいましたが、どのポジションかということに囚われずに選手のチーム内での役割に注目すればもっと面白くバスケを観戦できるのかなと思います。
最後までお読み頂きありがとうございました。
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