「バスケットは身長が全て」という訳ではありませんが、一般的に身長が高いプレーヤーが有利だということに異論がある人はいないとは思います。
そして、当然の流れとして今までフォワードのポジションだったプレーヤーをポイントガード(PG)にコンバートしようという試みが何度も行われます。
けれど、結局代表は富樫選手や橋本選手といった生粋のPGがポジションを勝ち取っていますし、比江島選手や辻選手をPGにしようという試みも何度か聞いたが、今はすっかりなくなっているような気がします。
高い得点能力に加えて広い視野から繰り出すアシストが非常に上手い選手で、将来の日本を代表するポイントガードとしての大きな可能性を追求していきたいです。
比江島選手がアイシン入団時の鈴木HCのコメント
比江島選手も「PGとして考えてくれているから」という理由でアイシン(三河)を選んだような気がします。
この辺りの考えられる理由と、思うところを書いていきたいと思います。
理由①「ボールが運べる」と「PGができるは違う」
ドリブルがそこそこつける大型プレーヤーに対して、「ハンドリングが良いからPGも出来る」と大型PG化を望む発言が良く見受けられます。
最近のプレーヤーだと馬場選手(東京)あたりでしょうか。
確かにフォワードのプレーヤーでもボールハンドリングが良く、ピック&ロールでもパスも上手な選手は多いです。
ただし、PGにおける「ドリブル」や「パス」とフォワードが得点に絡むためのスキルは違うのかなと思います。
ドリブルにも「抜くため」のドリブルと「キープするため」のドリブルがありますし、パスについてはピック&ロールではパスターゲットは1人ですが、ゲームメイクするとなればより広い視野の広さといわゆる玉離れの良さが要求されます。
PG経験の浅い選手がゲームメイクをしたときに、パスの周りが悪いだったりトランディションが上手くいかないという経験をされた方は多いのかなと思いますがどうでしょうか?
逆にパスを意識しすぎるとその選手本来の良さが消えてしまったり、なかなか難しいものです。
理由②短期的なチームの勝利のため、大型化が進まないというジレンマ
ボールをキープしつつ、パスも意識して自身で得点を取りに行くことも考えなければならないので、PGというのは非常に経験値が必要です。
PGを長らくやっているプレーヤーは当然のようにこなしていますが、コンバートしてすぐはなかなか上手くいかないものです。
(比江島選手は代表戦でちょこちょこやってますが、あれは天性かな、と)
そして、大型で得点力のあるようなプレーヤーはポイントガードにコンバートせずにウィングで点を取って欲しい、というのが勝利を優先した時のチームの意見です。
一般的にガードプレーヤーの方が多いですし、そもそも190cmを超えてハンドリング良いプレーヤー自体が少ないですもんね。
比江島選手もそうですが、青山学院大学の赤穂選手や筑波大学の牧選手も同じ状況ですね。
確かにPGも出来るが、他に石井選手や菅原選手といったPGがいるのでフォワードとして活躍してくれたほうがチームとしては強いので、、という状態が続いています。
本気でコンバートするならチームを犠牲にする必要もある
というわけでPGは経験が必要なのに、「PGを出来るようなスキルをもったフォワードのプレーヤーはウィングで点を取って欲しい!」というチーム事情のために大型化はあまり進んでいない傾向です。
逆に短期的な勝利は優先せずにPGガード経験を積んでいるプレーヤーは誰かと思ったときに法政大学の中村太地選手に期待したいなと思います。
中村選手は福岡大濠時代からPGのポジションを任されており、現在も前HCの塚本氏の方針からか、PGを続けています。
正直ハンドリングは良いですが、まだ他の大学の生粋のPG陣と同じレベルでこなせているようには見えません。
中村選手のPGの是非はこの辺りで置いておきますが、何が言いたいかというと、中村選手くらい無理にでもPGの経験を積まないと本当の意味での大型化は実現し得ないのかなと思います。
もっといえば、チーム方針としてある選手をPGにするなら他のPGの選手は獲得しないくらいの気持ちじゃないと、結局「流れが悪いから」という理由でPGが入れ替わり、大型の選手の経験値も中途半端になってしまうような気がします。
ただ、富樫選手や伊藤選手(京都)、またまた福岡第一の河村選手を見ていると必ずしもPGを大型にするだけが答えではないのは明白です。
彼らのスピード感は見ていて本当に気持ち良いです。
ただ、いずれにしろ「こいつをPGにする」と決めたなら断固たる決意が必要なのだと思います。
最後までお読み頂きありがとうございました。
他の記事でも偉そうに言いたい放題しているので良ければお読み下さい。
www.basketball-iitaihoudai.com
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