ピック&ロールのコツについての記事を書いた際に、良い対処法として筑波大学のディフェンスを紹介しました。
そんなインカレ3連覇を達成した筑波大学の武器の1つであった「スクリーンに対するディフェンス」を紹介して行きたいと思います。
1.ショウディフェンスからのダブルチーム
筑波大学と対戦するチームのガードとしては、安易にピック&ロールを選択することは出来なかったと思います。
なぜなら、ショウディフェンスに対してドリブルを少し止めるとその隙に2人がかりでドリブラーに対してプレッシャーをかけてくるからです。
これはインカレ2016年の決勝vs東海大学ですが、対戦相手の寺園選手(No4 現九州電力)がディフェンスを警戒してドリブルを止めているのが分かります。
そして、ドリブルを止めた隙にスクリーナーのディフェンスの木林選手(三井住友海上)とがショウアップし、寺園選手の視野を潰します。
(この後ダブルチームに挟まれ、ターンオーバーとなってしまいます)
1試合通して見るとわかるのですが、筑波大学も毎回ショウディフェンスをしているわけではありませんですし、スイッチアップからダブルチームを仕掛けるのはもっと少ないです。
しかし、1度ショウディフェンスからのダブルチームでターンオーバーを起こしたチームは次回以降にスクリーンを使用する際に当然警戒します。
結果として思い切りよくスクリーンを使えずに(=スクリーナーの場所に対して回り込んでしまう)、結果としてディフェンスとのズレが作れない結果となります。
2.スクリーナーのディフェンスのフットワークの良さも必要
ここまで読んで「全てのチームが毎回ショウディフェンスをすればいいのでは?」と思う方もいらっしゃるかもしれません。
しかし、「スラムダンクの河田美紀男が宮城リョータに対してショウディフェンスを行ったらどうなるか?」と考えてみてください。
おそらく、ダブルチームにいっても河田美紀男のサイドから一瞬で抜かれてしまいますよね。
河田美紀男は片方に抜かれることを警戒して守れば良いのですが、ドリブラーと圧倒的なスピードの差があるとこのディフェンスは成立しないんです。
「ゴメン、兄ちゃん」という姿が目に浮かびます。
対してこの代の筑波大学のインサイドプレーヤーは木林選手や杉浦選手などフットワークの良い選手が多いです。
(というか、身長が大きくて能力の高いプレーヤーが多かったですね・・)
木林選手が特に上手く、スティールからのレイアップまでのシーンも数多かった印象があります。
3.残り3人の守り方も重要
スクリーンプレーに関わる2人以外の動きも非常に重要です。
ダブルチームで視野を消しているとはいえ、どこかはフリーになっているはずです。
しかし、筑波大学はボールマンから遠い位置にいるプレーヤー(中山選手)よりフリーになっているスクリーナー(平岩選手)をケアしています。
この状況では遠くにいる中山選手にパスを出すのは難しいですし、仮に出したとしてもパスが空中にある間にローテーション出来そうです。
4.NBAではショウディフェンスが行われない?
NBAではあれほどピック&ロールが積極的に使用されるにも関わらず、スクリーナーのディフェンスは下がって守っている(賞ディフェンスをしない)ことが多いです。
なぜでしょうか?
1.理由①「ハンドリングスキルの高さ」
1つ目はNBAプレーヤーのハンドリングスキルの高さです。
下の動画のカリーに限らず、NBAでプレーするガードプレイヤーに対してインサイドのプレーヤーがプレッシャーをかけても簡単にボールとれないですし、すぐに抜かれてしまいます。
2.理由②「アリウープ」
2つ目はアリウープです。
これは外国人選手を擁するBリーグにも共通するのですが、ショウディフェンスをすることでディフェンス側にはどこかで一瞬ズレが起こります。
ディフェンス側としては、「ズレが起こる瞬間にボールマンにプレッシャーをかけてドリブラーの視野をなくさせるか」ということが大事なのですが、前述の通りNBAのガードほどになると上手くかわします。
そしてその隙にスクリーナーがリングに飛び込めば比較的簡単にパスが出ます。
他の3人でカバーしたいところですが、リングに直接シュートを叩き込むアリウープパスが出れば追いつくのはなかなか難しいですよね。
youtu.be これはディフェンス側がしっかり田中大貴選手(アルバルク東京)にプレッシャーをかけていない結果かもしれませんが、わずかなズレに対してアリウープが有効という意味では同じかと思います。
富樫選手もよくピック&ロールからのアリウープパスを出しますよね~。
japan-bleague-college.hatenablog.com
最後までお読み頂きありがとうございました!